2017年11月実施『第2回東大オープン』藤田マーク

理系数学レベル一覧
大問
配点
LV(LVとは?
1
20
4
2
20
4 ((1)2, (2)3.5, (3)4)
3
20
4.5 ((1)3.5, (2)3, (3)4.5)
4
20
4 ((1)3, (2)4)
5
20
3.5 ((1)3.5, (2)3.5 (3)2)
6
20
4

感想(※あくまで、藤田個人の感想です)

【全体として】
簡単に完投できる問題はない反面、難しすぎる難問もないため、合格ライン付近の受験生にはやや難しく感じ、合格圏以上の受験生の間で大きく差がついたセットだったのではないでしょうか。
また、多くの問題が重厚な「作業力」「計算力」を求めているため、解決方針の目処が立っても結論まで導くのに苦戦した受験生も多いことだと思います。計算力の有無が最も差を生み出す要因になったものと思われます。
120点満点での目標点を見積もると次の通り。
予想 理科 I 類、II 類
理科 III 類
ボーダー
LV3.5までを全て得点し、LV4を2割程度得点する
(0+10+12+5+20+0)×1.0
+(0+10+0+15+0+20)×0.2

= 56点
LV3.5までを全て得点し、LV4を5割程度得点するする
(0+10+12+5+20+0)×1.0
+(0+10+0+15+0+20)×0.5

≒ 70点
安全圏
LV3.5までを全て得点し、LV4を8割程度得点するする
(0+10+12+5+20+0)×1.0
+(0+10+0+15+0+20)×0.8

= 83点
LV4までを全て得点し、LV4.5を2割程度得点する
(20+20+12+20+20+20)×1.0
+(0+0+8+0+0+0)×0.2

≒ 113点
※配点は予想です。公式のものではありません。

【第1問】
後から見れば決して難しいとは思えない問題ですが、試験中は色々な迷いも生じて、簡単には解けない問題だと思います。深入りしすぎて時間ばかりとられるのは禁物です。
【第2問】
(1)は単純です。「サッ」と解いておきたいところです。
(2)「普通」によく見かける問題っぽいですが、分類の観点を適切に選ばないと面倒なことになってしまいます。差がつくと思われます。
(3)分類がさらに複雑になるため、時間内に正しく処理するのは大変だったと思われます。
【第3問】
(1)「外心をどのように特徴付けるか」を「立式の様子」を頭に入れながら見定めていく必要があります。闇雲に扱うと泥沼に陥る可能性の高い問題でしょう。
(2)(1)の結果が正しく求まっていないと無駄に時間を使わされてしまいます。「多少面倒になろうともやりきる」という勇気も必要だった問題ではないでしょうか。
(3)(2)までの結論が正しく得られていることを前提に、さらに「点αの動き方」と「αとzの対応関係」を把握しながら取り組む必要があり、大変厳しい問題です。
【第4問】
(1)確実にとっておきたい問題です。
(2)
前半:(1)で利用した関数に帰着させるところまでは確実に処理したいところです。(1)では扱わなかった「f(x)が極値をもたない場合」についても考慮しなければならないところを見落とさないように注意が必要です。
後半:関数の増減を利用し、グラフの共有点に帰着させることに気づくところは優しいのですが、「極値や端点の符号についての考察」がこの問題の難しいところとなります。ある種の「対称性」に気づくと計算しなくても必要な情報が容易に得られることに気づくのがポイントです。
【第5問】
難しそうに見えます?が、意外にそうでもない問題です。
(3)(2)の結果を用いれば簡単に解けます。(1)(2)ができていないから、と取り組んでいない受験生も多いかと思いますが、この問題での取りこぼしは致命傷です。
(1)判明していく情報を地道に用いて議論すれば確実に解けます。
(2)これも同じく地道にやれば確実に解けるはずなのですが、「b=c2を示せ」という問い方に面食らって慌ててしまった受験生も多いものと思われます。
【第6問】
最近の東大本試験の状況から、この雰囲気の問題に恐怖心をもっている受験生も多かったのではないでしょうか。しかし近年の本試験第6問よりは「忠実にやれば確実に解ける」度はだいぶ高い問題です。体積についての練習が十分にできていた受験生にとっては取り組みやすい問題だったのではないでしょうか。
設定の読み取りミスは多かったと思われます。また、「定積分の立式における積分変数の選択」についての知識が曖昧な受験生は誤った立式をして計算してしまったでしょう。


受験対策ROOM
東大GO格へ!