数式を読み取るときの着眼点
●「変数」に着目(何種類?何カ所?
式の形?変域?)
●「意味」「役割」を考える
●「
対称性」に着目(考える部分を減らせる? & 特殊解法?)
■■■ 式の形 ■■■
$x,y$ の1次式
$ax+by$
→ 2つのベクトル $(a,b)$ と $(x,y)$ の内積の値
$x,y$ の2次式
■$xy+\bigcirc x + \Box y + \triangle =0$ → $(x+\cdots )(y+\cdots )=k$ と変形
→ $k\neq 0$ ならば 双曲線
→ $k=0$ ならば 2直線の和集合
■$\bigcirc x^2 +\Box y^2 + (x,y\text{ の1次式})=0$ → $a(x+\cdots )^2+b(y+\cdots )^2=k$ と変形
→ $a=b$ のとき
→ $k$ が $a,b$ と同符号 ならば 円
→ $k=0$ ならば 点
→ $k$ が $a,b$ と異符号 ならば 図形なし(空集合)
→ $a\neq b$ かつ $a,b$ が同符号 のとき
→ $k$ が $a,b$ と同符号 ならば 楕円
→ $k=0$ ならば 点
→ $k$ が $a,b$ と異符号 ならば 図形なし(空集合)
→ $a,b$ が異符号のとき → $(x,y\text{ の1次式})(x,y\text{ の1次式})=k$ と変形
→ $k≠0$ ならば 双曲線
→ $k=0$ ならば 2直線の和集合
対称性のある式
■対称式 → 基本対称式だけで表せる。
☆ $x$ と $y$ の対称式 → $x+y$ と $xy$ だけで表せる → $x,y$ は2次方程式…の2解とみなせる
☆ $x,y,z$ の対称式 → $x+y+z$, $xy+yz+zx$, $xyz$ だけで表せる → $x,y,z$ は3次方程式…の3解とみなせる
☆ sin と cos の対称式 → 和だけで表せる( $\sin + \cos = k$ と置くと扱いやすい)
☆ $x$ と $\frac{1}{x}$ の対称式 → 和だけで表せる
■単独では対称式でないが連立すると対称性のある連立方程式 → 辺々を加えたり引いたり掛けたりすると対称式が作れる
■基本対称式からなる連立方程式 → 解と係数の関係を用いて単独の方程式に帰着できる
■文字の大小を設定する(敢えて対称性を崩す)
☆ 考える場合が減らせる
☆ 利用できる不等式が増える
■和と積についての大小 → (相加平均)≧(相乗平均) が利用できることがある
■係数が左右対称(相反方程式) → 両辺を $x^{\bigcirc}$ で割って、$(\text{最低次数}) = -(\text{最高次数})$ となるように変形すると、$x+\frac{1}{x}=t$ の多項式にすることができる。
図形的意味が盲点になり易い式
■$y=\sqrt{ax^2+b}$( $a\neq 0$, $b\neq 0$ )
→ 2乗すると見易い
☆ $a>0$ or $a<0$ → 双曲線(の上半分)
☆ $a=-1$, $b>0$ → 円(の上半分)
☆ $a<0$, $a\neq -1$, $b>0$ → 円(の上半分)
■ $x^a+y^a=1$ ( $x>0$, $y>0$ )
(ア) $a=1$ なら直線 $y=-x+1$,(イ) $a=2$ なら単位円
☆ $a>2$ → (イ)よりもっと膨らんだ形(ただし $x<1$, $y<1$ に注意)
☆ $1< a<2$ → (ア)と(イ)の中間の形
☆ $0< a<1$ → (ア)よりへこんだ形(座標軸により近い)
■ $y=f(x)\sin x$( $y=f(x)\cos x $ も同様)
→ $y=\sin x$ のグラフを上下に引き伸ばし,$y=f(x)$ と $y=f(x)$ のグラフが振幅の関数となるように貼り付けるイメージ
■ $x=f(t)\sin t$, $y=f(t)\cos t$( $t$ はパラメータ)
→ $x$ 軸から角 $t$ の方向に距離 $f(t)$ だけ離れたところにある点 $(x,y)$ が $t$ により動いて描く図形
☆ $f(t)$ が $t$ によらない一定値であるときのみ,点 $(x,y)$ は原点を中心とする円を描く
絶対値記号|…|
■定義I:実数 $x$ に対して,$|x|$ は次のように定められる
$|x| = (\text{数直線上における点 } x \text{ の原点 0 からの距離})$
■定義II:複素数 $z$ に対して,$|z|$ は次のように定められる(数III)
$|z| = (\text{複素数平面上における点 }z{ の原点 0 からの距離})$
(この定義は定義Iを拡張したものであり,定義Iの情報を含んでいる)
■定義III:ベクトル$\overrightarrow{p}$に対して,$|\overrightarrow{p}|$は次のように定められる
$|\overrightarrow{p}|$ = ($\overrightarrow{p}=\overrightarrow{\rm OP}$を満たす有向線分OPの長さ)
■絶対値の性質
・0以上の実数値をとる(定義I,II,IIIによらない)
・$|x|=0~\Longleftrightarrow ~x=0$(定義I,II),$|\overrightarrow{p}|=0~\Longleftrightarrow ~\overrightarrow{p}=0$(定義III)
・$|a+b|\leqq |a|+|b|$(定義I,II,IIIによらない)
・ $a$,$b$が実数の場合,
$|a+b|=|a|+|b| ~\Longleftrightarrow ~ ab\geqq 0$(定義I)
$\alpha$,$\beta$が複素数の場合,
$|\alpha +\beta |=|\alpha |\beta | ~\Longleftrightarrow ~ \overrightarrow{0\alpha},\overrightarrow{0\beta}$のうち一方が他方の実数倍である(定義II)
$|\overrightarrow{p}+\overrightarrow{q}|=|\overrightarrow{p}|+|\overrightarrow{q}| ~\Longleftrightarrow ~ \overrightarrow{p},\overrightarrow{q}$のうち一方が他方の実数倍である(定義III)
■効果的な読み取り方
・$A$が実数の場合 : $|A|=(A$と$-A$のうち0以上である方$)$
・$A$,$B$が実数の場合 : $|A-B|=(A,B$のうち[大きい方]$-$[小さい方]$)$
・$|f(x)|$:$y=f(x)$のグラフを描き,$x$軸との上下から$|\cdots |$の中身の符号を読み取ることで絶対値記号を外すことができる
・$y=|f(x)|$のグラフ:$y=f(x)$のグラフの$x$軸より下の部分を$x$軸に関して折り返して描く
ガウス記号[ ]
■定義(実数xに対して[x]を次のように定める)
[x] = (xを越えない最大の整数)
■[x]の性質
・[x] は (xの整数部分) である
・[x] は x-1 < k ≦ x を満たす整数である
■効果的な読み取り方
・式[x]が扱いにくい場合
→ x-1<[x]≦x として[x]を簡単な式x-1とxではさむ
・数xが扱いにくい場合
→[x]≦x<[x]+1 としてxを整数[x]と[x]+1ではさむ
■■■ 関数 ■■■
関数の最大値・最小値(max, min)(→
求め方)
■「f(x)の最大値・最小値」の読み取り
「xに何かを代入したときに得られるf(x)の値」のこと
→「xに何を代入した値なのか」に注意する
関数の連続
■f(x)が連続
… 定義に属する各のxにおいて連続である
■f(x)がx=aにおいて連続
xの値をaにどんどん近づけるにつれ、f(x)の値がf(a)という値にどんどん近づいていく
x→aのときf(x)→f(a)
x→a+0のときもx→a-0のときもf(x)→f(a)となる
h→0のときf(a+h)→f(a)
h→+0のときもh→-0のときもf(a+h)→f(a)となる
関数の微分可能性
■f(x)が微分可能
… 定義に属する各のxにおいて微分可能である
■f(x)がx=aにおいて微分可能
xの値をaにどんどん近づけるにつれ、f(x)-f(a)/x-a の値がある有限の値にどんどん近づいていく
x→aのときf(x)-f(a)/x-aがある有限の値に収束する
x→a+0のときもx→a-0のときもf(x)-f(a)/x-aがある有限の同じ値に収束する
h→0のときf(a+h)-f(a)/x-aがある有限の値に収束する
h→+0のときもh→-0のときもf(a+h)-f(a)/x-aがある有限の同じ値に収束する
微分係数・導関数
■微分係数
☆平均変化率の極限値として定義される
☆グラフの傾きを表す
■導関数
微分係数を関数値にとる関数として定義される
その正負が元の関数の増減に対応する
極値
■一般の関数での定義
極大値…その周辺での最大値
極小値…その周辺での最小値
(「その周辺」はどんなに狭くても構わないが、左右に正の幅をもっていること)
■微分可能な関数の場合
極大値…xの値を増加させていくとき、f'(x)の正負が前後で正→負と入れ替わる瞬間のf(x)の値
極大値…xの値を増加させていくとき、f'(x)の正負が前後で負→正と入れ替わる瞬間のf(x)の値
逆関数
☆関数y=f(x)は「f:x→y」と書いて捉える。
☆2変数s,tに対して2つの関数f,gが「f:s→t」「g:t→s」(すなわち「t=f(s)」「s=g(t)」)を満たすとき、gはfの逆関数である。
☆上の場合,g=f-1と書く。「t=f(s)」「s=f-1(t)」
■■■ 列 ■■■
数列の特徴付けの(どんな数列かを表す)方法
- 数列の名称(等差,等比,調和,フィボナッチ,…など)
- 一般項
- 漸化式
- 第n講までの和
(数列が)等差数列である
→ 階差の値が項番号nによらず一定である。
群数列(数列の各項をグループに分ける、区画に分ける)
■仕組み
☆「数列全体で何番目か」と「第何群の何番目か」の2種類の「順番」がある
☆「順番」を「それまでの項の個数」で捉えることができる
■準備しておきたいこと
☆第p群の様子をわかる範囲でメモしておく
☆第p群の末項までの項数を求めておく
■■■ 数 ■■■
定数・変数
■定数
- 予め与えられた数(出題者が決めた数),解く人が勝手に決めてはいけない
- 途中で変化しない
- 変数の変化に依存しない
■変数
数のカテゴリー
■自然数
☆1,2,3,4,…
☆自然数同士は、
足しても掛けても、
結果はまた自然数(「
は加法・乗法に関して閉じている」という)
☆自然数同士は、引いたり割ると、結果は自然数とは限らない
☆自然数全体の集合は英語の「natural number」の頭文字をとって「
」と書く
☆
は
の部分集合
■
整数
☆…,-4,-3,-2,-1,0,1,2,3,4,…
☆整数同士は、
足しても掛けても引いても、結果はまた整数(「
は加法・乗法・減法に関して閉じている」という)
☆整数同時は、割ると、結果は整数とは限らない
☆整数全体の集合はドイツ語の「zahren」の頭文字をとって「
」と書く
☆
は
の部分集合
■素数
☆正の約数は1とそれ自身のみであるような2以上の整数である
☆正の約数がちょうど2個の自然数である
■有理数
☆「$\frac{(\text{整数})}{(\text{整数})}$」と表すことのできる数
☆有理数を$\frac{n}{m}$($n∈\mathbb{Z}$, $m∈\mathbb{Z}$)と表すとき
「$m>0$」「$m$,$n$の最大公約数は1」としておくと便利なことが多い。
☆有理数の全体はイタリア語の「quoziente」の頭文字をとって「$\mathbb{Q}$ 」と書く
☆有理数同士は、足しても掛けても引いても割っても、
結果はまた有理数(「$\mathbb{Q}$は四則演算に関して閉じている」という)
☆ $\mathbb{Q}$ は $\mathbb{R}$ の部分集合
■実数
☆数直線上に(「大きさ」の順に)並べることのできる数
☆実数同士は、
足しても掛けても引いても割っても、結果はまた実数(「
は四則演算に関して閉じている」という)
☆実数の全体は英語の「real number」の頭文字をとって「
」と書く
☆任意の実数には、いくらでも大きさの近い有理数が存在する
☆
は
の部分集合
■無理数
☆実数のうち、有理数でない数
☆√2や円周率π、自然対数の底eなど
☆無理数同士は、足しても掛けても引いても割っても、結果は無理数になるとは限らない
☆a+b×(無理数)=0 を満たす有理数a,bは(a,b)=(0,0)に限る
■
複素数
☆「数」を一般的に表したもの
☆一般の複素数は「大小」を考えることができない
☆複素数平面上の点と1対1に対応している
☆複素数同士は、足しても掛けても引いても割っても、結果はまた複素数に
☆複素数の全体は英語の「complex number」の頭文字をとって「
」と書く
■虚数
☆複素数のうち、実数でない数
☆a+bi(a,bは実数、b≠0)と表せる
☆虚数同士は、足しても掛けても引いても割っても、結果は虚数になるとは限らない
解
■方程式の解
☆代入する(解の定義)
☆解く(公式、xを1箇所に集める、満たすものをすべて見つける)
☆(整式の方程式の場合)解と係数の関係
☆(実数解の場合)共有点の◯◯座標
■共通解
☆どちらの方程式(不等式)にも代入できる(解の定義)
☆一方の方程式を解き,他方に代入する
☆$f(x)=0$と$g(x)=0$の共通解$\alpha$:
・$f(\alpha)=0$かつ$g(\alpha)=0$を
同値変形する
・$y=f(x)$のグラフと$y=g(x)$のグラフがいずれも点$(\alpha,0)$を通る
大小
☆形をそろえて、違うところだけを比べる
☆図形的な意味を考える.(「和」を「面積」とみなす等)
☆1変数なら「数直線」,2変数なら「座標平面」で捉える
桁数・最高位の数
■「=A×10
n(1≦A≦9.99…)」と表したとき
☆桁数…n+1(「10n」を書き並べたときの0の個数+1)
☆最高位の数…Aの整数部分
■「=10
α」を表したとき
☆n=(αの整数部分)
☆A=10(αの小数部分)
p進法(位取り記数法)
■「数そのもの」or「数の表示方法」どちらを問題としているのかに注意する
☆数そのもの…表示を何進法に書き換えようと大きさは不変
☆数の表示方法…2進法、3進法、など表示方法は様々
☆p進数「$ab\cdots cd_{(p)}$」:その大きさは「$ap^n+bp^{n-1}+\cdots +cp+d$」で表される
☆p進法$ab\cdots cd_{(p)}$からq進法$AB\cdots CD_{(q)}$への変換:$ap^n+bp^{n-1}+\cdots +cp+d=Aq^m+Bq^{m-1}+\cdots +Cq+D$
■p進法からq進法への変換
表す「数そのもの」の大きさは不変であることを利用する
(例) $ap^n+bp^{n-1}+\cdots +cp+d=Aq^m+Bq^{m-1}+\cdots +Cq+D$ を導けばp進法「$ab\cdots cd_{(p)}$」をq進法「$AB\cdots CD_{(q)}$」に変換できる
■■■ 極限 ■■■
無限級数
■$\displaystyle \sum_{n=1}^{\infty}a_n$
☆ 定義:部分和$\displaystyle S_N=\sum_{n=1}^N a_n$の$N\to ∞$としたときの極限のこと
☆ $a_n\to 0$でない限り、無限級数は発散
☆ $a_n\to 0$のときは、無限級数の収束・発散は計算してみないとわからない
☆ 無限等比級数なら「収束条件」と「和(極限値)」は公式
図形を読み取るときの着眼点
●「絵」ではなく「情報」として捉える
●「求めたいもの」「使うべきもの」を含む「基本図形」のみを抽出
● 複雑な情報は一旦分割し、共通部分に注意しながら統合していく
● どの「量」で捉えるか(長さ?角?面積?比?座標?位置ベクトル?…)
●「対称性」に着目(考える部分を減らせる?&「真ん中」注意?)
■■■ 図形量 ■■■
角
■相似な三角形を疑う
■円周上の角(円周角) → 対応する円弧で捉える
■鋭角 → 直角三角形で sin, cos, tan の値を捉える
■座標平面 → 「傾き=tan」を利用
■ベクトル → 内積
■複素数平面 → 3点の位置関係orベクトルの回転拡大量を商で表す
内積
■[定義] (絶対値)×(絶対値)×cos(なす角)
■[図形的な意味] 一方のベクトル側に正射影したときの移動量(符号付き長さ)の積
■成分で表示した公式
■座標を導入する
面積
■三角形
■四角形
- 補助線により三角形の面積の和や差を利用
- 対角線に平行な線からなる平行四辺形の半分
■円・扇型
■境界に放物線がある図形
■一般的な曲線で囲まれた図形
■■■ 定義・性質 ■■■
三角形の心
■重心
(定義) 3本の中線の交点
(性質) 1:2
■外心
(定義) 3本の辺の垂直二等分線の交点
(性質) 各頂点までの距離が等しい、外接円の中心
■内心
(定義) 3本の角の二等分線の交点
(性質) 各辺までの距離が等しい、内接円の中心
■垂心
(定義) 3本の垂線の交点
(性質) 90°の対辺を直径とする円が色んな場所にかける
曲線の定義・特徴
★定点からの距離が一定である点の集合 … 円
★2定点からの距離が
等しい(1:1である)点の集合 … 直線(垂直二等分線)
1:k(k≠1)である点の集合 …円(アポロニウスの円)
★2定点からの距離の
和が一定である点の集合 … 楕円
差が一定である点の集合 … 双曲線
★定点からの距離と定直線までの距離が
等しい(1:1である)点の集合 … 放物線
e:1(0<e<1)である点の集合 … 楕円
e:1(e>1)である点の集合 …双曲線
★円錐を平面で切った切り口
平面が円錐の軸に垂直 … 円
平面が円錐の母線に平行 … 放物線
それ以外 … 楕円 or 双曲線(母線の向きに注意して判断)
2次曲線(→
定義はこちら)
★楕円
・円に(相似拡大でない)拡大縮小を適当に施したもの
・「○2+△2=1」と表せる
→ 範囲の絞り込み
1パラメータ表示(○=cosθ,△=sinθ)
★双曲線
・「(x,yの1次式)×[x,yの1次式]=(一定)」と表せる(反比例)
・→1パラメータ表示((x,yの1次式)=t,[x,yの1次式]=1/t)
・「(x,yの1次式)×[x,yの1次式]=0」としたものが漸近線となる(反比例の比例定数が0)
★放物線
・「○2=△」と表せる(△は○の2次関数)
■■■ 図形 ■■■
三角形
★形状の表現
- 長さと角で表す(3辺の長さの比,2辺の長さの比と夾角,1辺の長さを2角)
- $\triangle {\rm ABC}$:
$|\overrightarrow{\rm AB}|,~|\overrightarrow{\rm AC}|,
~\overrightarrow{\rm AB}\cdot \overrightarrow{\rm AC}$の比
- 複素数平面上の$\triangle \alpha \beta \gamma$:
$\displaystyle \frac{\gamma -\alpha }{\beta -\alpha }$の値(数III)
正〇角形
★外接円を描いて捉える(中心角や円周角が有効に使える)
★二等辺三角形を抜き出す
★直角三角形を抜き出す
直線
★「通る1点」と「方向」のみで決まる
★空間の中では「2平面の共通部分」として決まる
円
★円周上の角(円周角) → 対応する円弧で捉える
★弦の長さ → (直径)×sin(円周角) (正弦定理)
■■■ 曲線 ■■■
グラフ・曲線をかくときに
■関数のグラフ(y=f(x))
先に調べる:★定義域
(大域的情報) ★区間毎の端っこの様子、漸近線
★周期性・対称性
後で調べる:★導関数の正負から増減、極値
(局所的情報) ★(2階導関数の正負から凹凸、変曲点)
■パラメータで表示された曲線(x=x(t), y=y(t))
★パラメータ(媒介変数)が変化すると点(x,y)が移動する。
★速度ベクトル(方向ベクトル)(x'(t), y'(t))の向きが点(x,y)の移動の向きである。
曲線が〜に関し
て対称
■関数y=f(x)のグラフCについて
★ Cが直線x=aに関して対称である
⇔f(a+t)=f(a-t)が任意の実数tに対して成り立つ
★ Cがy軸に関して対称である
⇔f(t)=f(-t)が任意の実数tに対して成り立つ
★ Cが点(a,b)に関して対称である
⇔f(a+t)-b=-{f(a-t)-b}が任意の実数tに対して成り立つ
★ Cが原点に関して対称である
⇔f(t)=-f(-t)が任意の実数tに対して成り立つ
■曲線C:g(x,y)=0について
★ Cがy軸に関して対称である
⇔命題「g(a,b)=0⇒g(-a,b)=0」が成り立つ
★ Cがx軸に関して対称である
⇔命題「g(a,b)=0⇒g(a,-b)=0」が成り立つ
★ Cが原点に関して対称である
⇔命題「g(a,b)=0⇒g(-a,-b)=0」が成り立つ
■■■ 状態 ■■■
接する
■「何と何が?」「どこで?」
★ 円と直線(球と平面)が接する →「中心,接点を結ぶと90°」
★ 円と円(球と球)が接する →「中心,中心,接点が同一直線上」
★ 楕円と直線が接する →
・適当な拡大縮小で「円と直線」に帰着
・楕円の接線公式
・連立してできる2次方程式が重解をもつ
★ 2つの関数のグラフが接する
・整式f(x),g(x)の場合 → f(x)-g(x)が(x-α)2を因数にもつ
・一般の関数f(x),g(x)の場合 → f(t)=g(t)かつf'(t)=g'(t)
異なる3点A,B,Cが同一直線上にある
★ ∠ABC=0° or 180°
★ メネラウスの定理が成り立つ
★ 点Cが直線AB上ある
★
と表せる
★ 複素数γ-α/β-αが実数である
★ A,B,Cの座標を解にもつような(「x,yの」or「x,y,zの」)1次方程式が存在する(数III)
異なる4点A,B,C,Dが同一円周上にある
★ 点が同一平面上にあることを前提として、さらに
・円周角が等しい
・arg(γ-α/β-α)の絶対値がarg(δ-α/β-α)の絶対値またはその補角に一致する(数III)
・四角形の対角の和が180°である
・4点から等距離にある点が存在する
・2直線AB,CDの交点をOとした時の方向積(方べき)についてOA・OB=OC・ODが成り立つ
★ 点Dが△ABCの外接円上にある
★ A,B,C,Dの座標を解にもつような円の方程式が存在する
円と直線
■「長さ」(円の半径r、中心と直線の距離d、等)で読み取る
・円と直線が2点で交わる… d<r
・円と直線が接する… d=r
・円と直線が離れている… d>r
■直線の円の共有点の個数で読み取る
・円と直線が2点で交わる… 共有点は2個
・円と直線が接する… 共有点は1個
・円と直線が離れている… 共有点は0個
2点が直線に関して対称
■中点がその直線上
■2点を結ぶ直線とその直線が直交する
■■■ 基礎概念 ■■■
向き
■ 直線の向き
・方向ベクトル
・傾き(座標平面)
・偏角(座標平面、極座標平面)
■ 平面の向き
・2つの方向ベクトル
・法線ベクトル
分野ごとの読解における着眼点
三角比
■鋭角の三角比
直角三角形に長さの比を書き込んで捉える。
■鈍角の三角比
符号は単位円で判断(三角関数の定義を利用)
整数の読みとり
■√、分数、log等の形をなくし、整数どうしの「+」「ー」「×」のみの式で表す。
■積の形で表し、「約数」の情報を集める。
■ある自然数で割った時の余りによって整数を分類して捉える。
■大小についての情報に注目する。
場合の数の読みとり
(→
扱い方)
■数える対象を正確につかむ(どう数えるか」以前に「何を数えるか」)
■数え易そうな別の対象にすり替える
整式の読みとり
■次数と係数で特徴づける
■表示方法を工夫する(展開,因数分解,除法の式,x-aの整式,など)
■四則演算は係数だけでできる
■2つの関数の差の式を考えると
・「因数」「=0の解」「グラフの共有点」と言い換えられる
・「多重因数」「=0の重解」「グラフの接点」と言い換えられる
図形と式の読みとり
■図形を式で表す方法
図形を「〜を満たす点の全体(集合)」と捉え、集合の記法にしたがって
{点 | 点が満たす条件}と表す。
座標平面の場合 → { (x,y) | x,yが満たす関係式 }
座標空間の場合 → { (x,y,z) | x,y,zが満たす関係式 }
位置ベクトルの場合 → { P($\overrightarrow{p}$)| $\overrightarrow{p}$が満たす関係式 }
幾何的に直接扱う場合 → { P | 点Pが満たす完成式 }
極座標の場合(数学III)→ { (r,θ) | r,θが満たす関係式 }
三角関数の読みとり
■定義に従って読み取る
原点Oを中心として点(1,0)を反時計回りに角θだけ回したところに点Pがあるとき
【cos,sinの読み取り方】
・cosθ → PのX座標、sinθ → PのY座標
・(cosθ, sinθ) → Pの座標
・(cosθ, sinθ) →$\overrightarrow{\rm OP}$の成分
・tanθ → 直線OPの傾き
■式の形
・sinとcosの対称式
→ sin+cos=tとおくと簡単な表示に書き換えられる
・sinとcosの2次式
→ 倍角公式、半角公式を利用してsin,cosの1次式に書き換えられる
・sinとcosの1次式
sin◯+cos◯ → 合成すると1つにまとまる
sin◯+sin□ → 和積公式を用いるとまとまるかも
cos◯+cos□ → 和積公式を用いるとまとまるかも
sin◯+cos□ → sinかcosに揃えれば上記のどれかになる
対数の読みとり
■「logab」とは「=bを作るのに必要な、aを掛ける回数」のことである
数列の読みとり
■$a_1,~a_2,~a_3,\cdots ,~a_n$,\cdots $というふうに「記号」を並べて、「列の様子」をつかむ.
(安易に$a_1,~a_2,~\cdots$の「数値による類推」に突っ走らない)
■「Σ」はバラして書き並べる.
■数列をどのように特徴付けるか(名称?一般項?漸化式?和?etc…)
ベクトルの読みとり
■「基準点」と「基本となるベクトル」(「基底」という.平面なら2つ.空間なら3つ)を
準備し、世界を「斜交座標」で捉える。
■計量のための「基本内積」を確認する。
■1つのベクトル →「位置」「変化量」の2通りの読み取り方をうまく利用する。
■ベクトルの和 → 係数の和を1にすると図形的に意味が取りやすい点(内分点、重心等)の位置ベクトルになる。
複素数の読みとり
■数の表示方法
- 「z」のまま捉える
・共役複素数を活かす
・実数条件,純虚数条件,実部,虚部
- 「極形式」で捉える。
・かけ算、割り算に強い。
・積の意味→作用(回転&拡大)
・商の意味→状態(3点の位置関係)
- 「z=x+iy」と表し、「実数x,y」の情報として捉える。
・平面ベクトルのように扱える。
・xy平面の知識が使える。
・意味が分からなくてもある程度なら計算で押し切れる。
■図形的な意味
- 点の位置
- 変位(平行移動の量,ベクトル):「差」で表される
- (変位の)回転拡大量:「商」で表される
極限の読みとり
(→
扱い方)
■まず「数」的な状況確認を行う。ある程度の予測をする。
■近似
nが十分大きい時 → nの多項式は最高次の部分だけで近似される
θ≒0のとき → sinθ≒θ,$\displaystyle \frac{1-\cos\theta}{2}\risingdotseq \theta^2$,tanθ≒θ
t≒0のとき → $1+t\risingdotseq e^t$
x≒aのとき → $f(x)\risingdotseq f(a)+f'(a)(x-a)$