「低学年からの指導」についての内容紹介
教科書通りの順に単元を学習し、問題集で典型的な問題を網羅的に学習したとしても、難関大学の入試問題が確実に解けるわけではありません。指導者の立場
からすれば何でもないような基本事項の組み合わせとしての入試問題が、生徒にとってはだいぶ違った見え方がして難しく感じてしまうことが多いようです。
そこで本講座では、低学年(「高1」または「中学の段階」)からの指導のおいて高い効果が期待される、次のような指導プランを提示します。
[
従来型の指導順序]
単元毎の基礎事項を確認→公式や解法→典型問題→入試問題
を
ロングスパンで実戦するプランでの指導
[
本講座で提案する指導順序案]
入試問題を確認→必要な力の分析→学ぶ時期の考察→単元毎の基礎事項
を
ショートスパンで実戦するプランでの指導
[従来型]では、低学年の間に学ぶ基本事項が実際にどういった場面で威力を発揮するのかが生徒には伝わりにくく、「問題演習はあくまで今習った事柄を使
うための手段」となってしまいがちです。また、各単元の学ぶ順序がある程度固定されてしまうが故に、学ぶ機会が極端に少なくなってしまうテーマが多々あり
ます。(例えば、数学IIの「図形と方程式」と数学Bの「ベクトル」では、通常「図形と方程式」→「ベクトル」の順で習うため、「図形と方程式」という単
元のテーマである「座標を求める」問題に対して、本来非常に有効な「ベクトルを用いた解法」を学ぶ機会が圧倒的に少ない)
一方、[本講座案]では、「
常に入試問題を目的とし、その解決のための手段として各単元を学ぶ」ため、何のためにその単元や道具を学ぶのかを容易に生徒に実感させることが可能となります。
ただし、当然のことながら高等学校の数学では、未習範囲の単元を学ぶために必要な概念は安易に理解できるものではないため、指導においては「扱う順序」
や「見せ方」、「確保すべき学習時間と演習量」などに細心の注意が必要となります。この点においては[従来型]よりも[本講座案]の方が、実戦するに当た
り指導者にとっての難易度は高まるかもしれません。
こういった点に留意しながら、「低学年からの指導」の一案を提示いたします。